丸山ももたろう「Myギターについて」

momoと〜く

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       先日、群馬県は桐生のとなり?の山田郡大間々町と言う所に行ってまいりました。
       東武線りょうもう号にて浅草から2時間足らず・・・終点の赤城駅。
       そこから、車で10分足らずのところにあるギター製作家の増田明夫さんの工房を訪ねました。

       増田さんが作っているギターはブランド名を「WaterRoad」といい
       まだ、始められて6年ほどのビルダーですが 主にフィンガーピッカー向けの
       ギターを今までに50本ほど作ってこられたそうです。 今のところは
       お一人で作っておられることもあり 大量には出来ないので 個人的な
       オーダーメイドで手一杯だそうですが 既にプロの間でも話題になってるほどの
       名器で御座います。 今回は私も是非とも1本作って貰いたく かねてより
       お話を進めておりましたが やっとの事で工房にお邪魔して 詳しいお話を
       させて貰える事になりました。 実際にタイプの違う機種を弾かせて貰い
       自分に合った物をお願いしたかった事もあったので それが出来てから・・・
       (他の方がオーダーされた物で、自分の思ったタイプのギター)
       と言う増田さんの方からのご意見もあったので、今回のチャンスを待っておりました。

       実際、自分の周りにも今回の「Daybreak」に参加された
       中川イサトさんを始め、住出さん、下山君、岸部君も WRの愛用者でして
       以前から 話を聞いておりましたが 皆それぞれに個人的な
       工夫がされていて 同じ物が一本として無いのが現状ですが
       増田さんの信念や思い入れが感じられる作品には変わり無い様に思いました。

       増田さんのギターの大きな特徴としましては オリジナルのボディシェイプ
       (僕が知る限りでは4タイプ)その洗練されたデザイン 仕事の細かさ・・・
       音色に関しては 腰のある どちらかと言えばシャープでバランスの良い感じ
       特に今回の作品に関して(私の気に入ったやつ)は、倍音の豊かさ、伸びのある高音
       フィンガーは勿論、ストロークやメロ弾きにも対応できる感じで
       本当に気に入りました。 しかしこれと同じ物が出来るかどうか・・・とは
       本人談でしたが・・・。 まっさん! 信じてまっせぇ〜!たのんますぅ〜!

       もう一つは、やはりインレイの美しさ! これには本当に驚きました。
       我々も人前で弾く身 楽器は音が一番とは思いますが、ビジュアル的な部分も
       非常に大切なポイント! デザインは奥様が担当されているそうです。
       かなり細かい所まで注文を聞いて貰える様で、実際に作品を見ても
       驚くべき技の数々でした・・・。 特にヘッド部分のインレイは何種類もの
       アバロン(貝)を組み合わせて作る、まるで貼り絵のようにも思える作品でして
       私も今 どのような物にしてもらうか 考えをまとめている最中ですが
       かねてより考えておりました、ギリシャ神話に出て来ます「ペガサス」と言う線で
       お願いしようかと思っていますが・・・。 どうなります事か・・・。

       さてさて ギター本体の事に触れてみたいと思いますが 今回私がオーダーした
       スペックは・・・タイプはオーケストラモデル(WRオリジナル)OMですね。
       少し深めのシングルカッタウェイで、(20フレットまで楽に指が届く物)
       スケールは650ミリ、と少し長めの物・・・これはチューニングを下げても
       ある程度のテンションが保てるように。  それから問題の材ですが・・・
       これは前もって増田さんから、「良い材が入ったので是非見に来て欲しい」と
       言われていた事もありまして 今回行ったのですが、本当に目を疑うほどの
       すんばらすい材でした。 物はサイドバックにはハカランダ! 表にはドイツ松!
       ネックはマホガニー! 指盤、ブリッジにはエボニー! というスペックになりますが
       この、ハカランダが本当に素晴らしいものでした。 それも3種類の中から
       選ばさせて貰いましたが、板を叩いてみても澄み切った高音の代物で 後はこれを
       増田さんの腕で調理して頂く訳ですが・・・楽しみな思いで一杯です。

       某、アメリカのメーカーでこのハカランダにランキングをつけて値段に差を付けてますが
       最高級の物でAAAです。 しかしこのハカランダはAAAAにしてもおかしくないと
       私ながらに思える代物でした。 僕が選んだ物はオーソドックスな物でしたが 他にも
       バーズアイ、フィギャード、フレームなど、ハカランダにもこんな種類があるの?と
       目を疑いたくなる物でした。 早い者勝ちかもしれません・・・。悪しからず。

       と言うわけでして、完成は来春を予定して貰ってますが 本当に楽しみです。
       まっさん!よろしくお願いいたします。 奥様もデザインの方宜しくです!

       しかし、このお邪魔した日は抜けるような青空の中を電車で行ってきましたが
       気持の良い日でした。 着いてからはお昼をご馳走になり 栃木からいらしてた
       2002年 モーリスフィンガーピッキングコンテストチャンピオンの
       湯沢さんと、同行して貰ったギタリストの下山亮平君と増田さんの工房で
       夕方まで、あれこれ相談に乗ってもらいました。 帰りも同じ電車に乗って
       浅草まで帰ってきましたが、これまた満月に照らされながら ワクワク気分で
       帰ってまいりました。 あの情景を思い出しながら、完成の暁には
       「月にとどくまで」をまず最初に演奏してみたい気分になりました。

                                           2003年  12月・・・

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