ポジティブ、前向き・・・・原果里の新しいミニ・アルバム「祈る」を聴くと、まずそんな言葉が思い浮かぶ。
しかし彼女のポジティブさは、「いやなことは忘れてぱっと明るくいきましょう」といった軽いもので
はない。「いやなことをしっかりと引き受けた上で明るく生きなければならない」と強く決意する、何
かをひとつ乗り越えた、あるいは乗り越えようとする者の、重くて深いポジティブさなのだ。「いばら
の道に迷い込んだとしても/刺さるトゲも飲み込んで我の力とする」と、「何にも負けないもの」という
曲で彼女は歌っているが、まさにこのフレーズこそが、このミニ・アルバムの世界を象徴している。さ
まざまな「トゲ」を飲み込む原果里の苦しみや悲しみ、寂しさやつらさ、そしてとりわけ喜びや力強さ
が歌われているのが、「祈る」という、このシンプルだが逞しい、真の意味でポジティブな作品集だ。
ミニ・アルバム「祈る」より シンガーソングライター・音楽評論家 中川五郎 |