ウォーターロード OM 丸山ももたろうモデル
3回目の今回は、群馬県は大間々でコツコツ一人で作ってる
増田明夫さん製作のウォーターロードギターをご紹介します。
増田さんはギター製作が本業ではありません 休みの日を中心に
空いた時間に少しづつ作っておられるようで 年間に数本しか
作れないそうです。現在はプロの方のみに製作されているようで
一般の方が手に入れるのはなかなか難しいようです・・・。残念
私も最初は中川イサトさんが使っておられるのを見て興味を持ち
紹介して頂いた次第で 昨年2004年4月 約1年前にようやく
手に入れました。
実際に大間々に行き 増田さんの工房で拝見色々話をして
今回のモデルで作って貰う事にしました。
各スペックの紹介をしておきましょう・・・
ボディの形状は増田さんのオリジナルシェイプのOMモデルです。
中川イサトさん、住出勝則さんもこのモデルを使っています。
材料ですが 私は今まで使った事が無かったもんで この機に
サイドバックをブラジリアンローズウッドにしました。
今ではホンマに貴重になった材料ですから なかなか手に入らないものです
トップにはジャーマンスプルース(ドイツ松)ネックには定番の
マホガニー!指盤はエボニー(黒檀)インレイにはアバロン・・・
メキシコのあわび貝を使っています。そして今回のオーダーの目玉
ヘッドのインレイには色んな貝を使ってペガサスが羽ばたく姿を
施して貰いました。 因みにデザインは奥様の明代さんにご苦労を
お掛けしました。大変気に入っています。明代さん おおきに!!
そしてもう一つ、ご苦労を掛けたのがコンター加工です。
ボディの正面から見て左下、肘が当たる部分にストレスが無いよう
角を落としてあるんですが(本人の談では大変だそうです・・・)
私的には非常に楽チンですぅ〜! これ又お気に入りです
まだステージでは使った事がありませんがスタジオでは威力を発揮
レンジはあまり広くありませんが粘りのある低音と落ち着いた高音
全体的にはダークな音色かもしれません。けして派手ではないです
特にチューニングを下げた時のニュアンスが気に入っています。
やはり、ソロギタープレイヤーに多く好まれるだけあって そこは
増田さんも神経を使っている部分かと思われます。因みに、今回の
「ももかん」ファーストアルバムでは1曲目の「遠くへ」のR側
アルペジオ、2曲目「かんいち おみや」R側 6曲目になります
「夏の思い出」のR側アルペジオに使用しました。他にも
宗次郎さんのアルバムや松山千春さん、住出勝則さんのアルバムで
聞く事が出来ます・・・。
今回ボディの形状以外はフルにオーダーが可能という事で 色々と
無理を言う事になったのですが このギターに関しては やはり
インレイに凝ってみたかった訳です。 増田さんの家でインレイの
写真を見ながら こういう風にならないかとか話しながらね。
ヘッドを一つのキャンバスに見立てて思い切ってやって欲しいと。
今までヘッドの中に収まるサイズのキャラクターは良く見るもので
今回は思い切ってヘッドから、はみ出すようなデザインにしよう!
言う方は勝手で簡単なのですが・・・。 月に向かってペガサスが
羽ばたいている様 飛び立った後の光跡も付けて欲しいと・・・
ヘッドのサイズでは表現しきれずにネックの3フレットまで その
光跡は至りました。 これが又細かいんですよ よぉ〜く見ると
直径2,3ミリの中にも立体感を出していますし 細かい物は
1ミリ程度の貝が埋められています。恐れ入りました。ペコリ・・・
サイドのポジションマークの12フレット目にはオパールが入り
こんなとこにもお洒落さを感じます。
実は2月に行われましたハンドクラフトギターフェスにも 今回
初めて増田さんのギターが出展されていたんですが このモデルが
またまた気に入ってしまい 前回お邪魔した時に見た材で作る事に
しました。今度は少し大きめのサイズで、やはりコンター加工にし
インレイは 奥様に御任せしてあります。 楽しみですなぁ〜。
因みに材料はキルテッドのマホガニーの良いやつを見つけてしまい
「これで作ってくださいぃ〜」といってあります。
私にとって(ギタリストとして)ギターは一つの道具だと思います
板前さんの包丁だったり、大工さんの鉋だったり・・・そして
それを使って作り出すものは「夢」だと思っています。
道具が変れば 作り出される夢も 姿形が変るでしょう ですから
まだ見ぬ夢に向かって試行錯誤を繰り返すんだと思います。
勿論、使い手の気持や「うで」も変るもんですから それに合った
道具選びという事にもなるんでしょうけどね。
ウォーターロードは、まさに私の夢を 又一つ叶えてくれた
素晴らしいギターだと思っています。
まっさん おおきに!
丸山ももたろう
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